世にも珍しいピンボールを題材にした漫画。
漫画ではあるけども、こいつは「連射王」の系譜ですね。
「連射王」はライトノベル作家川上稔のシューティングゲーム小説。何事にも本気になれなかった主人公が、シューティングゲーム出会うことで人間的に成長していくという筋で、シューティングゲームが最終的に恋愛や生き方そのものに絡んでいくところがもの凄いファンタジーだと思ったものですが、「FLIP-FLAP」は導入の方に恋愛を持ってきたおかげでその後の展開が大分自然な印象。
最初こそ恋愛成就が目的であったとしても、プレイを重ねるうちにピンボールというゲームの深さを知り、ゲームそのものが目的になるというストイックさは、ゲームを題材にした創作物の中でもかなり好みの部類。プレイに集中している内に、自分とゲームだけが世界の全てになるという感覚は、経験したことがある人もままいるんじゃないだろうか。
プレイ中最後まで自問自答を続けた「連射王」と、ゲームと自分以外が全て消えてしまった「FLIP-FLAP」。ゲームというものの本質に近いものを描けたのは「FLIP-FLAP」だと思うのだけど、「連射王」が至らないということではなくて、これは表現方法の差からくるもの。文章の描写を積み重ねざるを得ない小説というのは、どうしても忘我の境地というものを描き難い。漫画は無まで描けるもんなあ。シャーマンキングとか。
FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)
posted with amazlet at 08.07.08
とよ田 みのる
講談社
講談社
おすすめ度の平均: 






川上 稔
メディアワークス
売り上げランキング: 47836
メディアワークス
売り上げランキング: 47836
おすすめ度の平均: 

