設定を隠蔽し小出しに語ることによって、気が付いたら物語の中心が、主人公であるはずの三つ子からずれて戻ってこないのが面白い。
あまりに圧倒的な家族の過去の前にどんどん脇に追いやられていく三つ子が哀れだが、伏線をきっちり回収しようと思ったら自然に過去の話になってしまうわけで、構成上仕方ないことなのだろうが、三巻で本当に脇役になってしまうのはちょっとビックリした。確かにタイトルは「桐原家の人々」なのだけど・・・。
茅田砂胡の小説は他にまだ読んでいないが、他もこんな変なのばかりなのじゃろか?
桐原家の人々 (1) 恋愛遺伝学講座 C・novels fantasia
posted with amazlet on 05.09.27
茅田 砂胡
中央公論新社 (1999/09)
売り上げランキング: 90,641
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