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2008年09月10日

島田荘司『ネジ式ザゼツキー』

スウェーデンで脳の研究をしている御手洗潔のもとに訪れた、記憶が欠落した男エゴン。
帰還を望みながらもその場所がどこかわからないと訴えるエゴンに、御手洗はエゴンが記した奇妙な童話「タンジール蜜柑共和国への帰還」の記述から、エゴンが捜し求める場所を解き明かそうとする。

久しぶりの島田荘司。前に読んだのなんだったっけな……。

シンプルながらも島田荘司らしいトリック。展開が少し強引なのが残念だけど、伏線の張り方はさすが。なかなかこうヌケヌケとは書けないよなあ。あんまり関係ないけどちょっとハサミ男思い出した。

あと音楽から生まれる力や、推理小説に対する無条件とも言える肯定にはビックリした。島田荘司もここまできたかと、ちょっと遠い目になってしまった。


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2008年07月11日

先崎学「一葉の写真―若き勝負師の青春」

将棋棋士である先崎学の初エッセイ。将棋という稀有の才を与えられているにも関わらず、先崎学には明らかに文章書きの才能も付与されている。天は二物を与えずって言葉はどこにいったのか疑問に思わざるを得ない。天はもうちょっと仕事をするべきだね。

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2008年04月20日

岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」

男女四人が監禁され外界との接触を立たれた場合、話の運びによってはお互いに殺しあうスプラッタホラーにもなるであろうし、肉欲に溺れる官能小説的な展開にもなるだろう。なのにおもむろに謎解きを始めちゃうのが本格推理小説よねー、ということで本格らしい本格。
登場人物がとても謎解きをしようとする人間に見えないが、それはある程度風俗を反映した人物を描かなければならないという時代の要請があったからだろう。今読むとそんなところにちょっとした歪さを感じられて面白かったり。

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2008年02月05日

削除ボーイズ0326 方波見大志

時間を削除する秘密道具を与えられた少年達の話。

ドラえもんがいない状態で秘密道具を乱用するとどうなるのかという小説。案の定ヒドイことになって主人公は右往左往するハメになります。いやまあドラえもんの方も、ドラえもんがいようがいまいが毎回結構ヒドイことになってますけど。

たった一つでも世界を変えられる秘密道具を、ホイホイ大量に売りさばいてしまう未来デパートは、架空企業の中でも最も恐ろしいものの一つではなかろうか。アンブレラとか目じゃない。

「削除ボーイズ0326」は第一回ポプラ社小説大賞受賞作なのですが、盗作ではないかとの指摘もあったらしい。映画「バタフライ・エフェクト」と展開などが被っているということなのですが、時間改変ものって大抵どっか似てくると思うんだがねえ。「バタフライ・エフェクト」も観ているけど、盗作というほど細部まで類似している印象は無いかな。


削除ボーイズ0326
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方波見 大志
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2007年11月26日

「レイニー・レイニー・ブルー」柄刀一

柄刀一の連作短編集。
下半身に障害を持ち車椅子に乗る青年、熊谷斗志八が探偵役。読んでいないので分からないのだけど、熊谷斗志八は「ifの迷宮」の登場人物でもあるらしい。そういえばはるか昔に買って積んだままだな、「ifの迷宮」は。

表題作である「レイニー・レイニー・ブルー」が個人的には好み。例え肉体に制限があっても頭脳は自由であるというのが、推理小説のセオリーのひとつだと思うんだけど、肉体が縛られているからこそ思考できない事件というものを用意してきたのは面白い。ただ、これ斗志八じゃなくても普通は推理できないよね。

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2007年08月14日

昭和史最大のスパイ・M―日本共産党を壊滅させた男

昭和初期の日本共産党を崩壊に導いたスパイ、通称Mの半生を描いたドキュメント。
Mは生え抜きの主義者でありソビエト留学も果たしたが、そのソビエト留学において共産党に対する懐疑と幻滅を抱き、帰国後特高警察毛利基との出会いにより転向、以後スパイとして生きることになる。
当時地下組織であった日本共産党は、慎重を期した連絡体制のため、組織の中枢にいるものですら全体を把握することが困難であったが、Mは特高警察からのリーク情報とソビエト時代に培った人脈を駆使し、瞬く間に単独で連絡網と資金ルートを握り、組織をその手中に収めた。Mがその中枢を担っていた時代は非常時共産党とよばれ、共産党非合法時代において最も栄華を誇ったが、それは組織を成長させてから一網打尽にしようとする特高警察の方針によるものにすぎなかった。
往時の共産党を知る上で格好の入門書。


昭和史最大のスパイ・M―日本共産党を壊滅させた男
小林 峻一 鈴木 隆一
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2007年02月16日

奇書? 魔界甲子園

IMG_3574.jpg

さっき出品した本の中に、今までまったく聞いたことのなかったタイトルのものが一つ。
その名は山浦弘靖「魔界甲子園
地獄甲子園を彷彿とさせるタイトルだが、こっちの方が五年ほど早い。
あらすじを読んでみたが何とも、奇妙奇天烈だ。ざっとまとめるとこうなる。

「超高校級の豪腕投手、帝竜介は魔界人である。彼に課せられた使命は、甲子園優勝を取っ掛かりに現世征服をたくらむ悪の邪教集団聖都学園に野球で打ち勝つこと。そしてその裏で暗躍する魔界王国の野望を打ち砕くこと!」

異次元にトリップしそうになる設定だな……。
甲子園優勝が世界征服の取っ掛かりにどうやったらなるのか理解不能だし、学園が邪教集団だったり、主人公が魔界人だったりツッコミ所が多すぎる。そういえば主人公バットじゃなくて刀持ってるよ

後書きを読んでみると、テーマは青春と戦争の叙事詩で、どうも沢村栄治をモチーフにしているらしい。
だから野球で戦争なのね……って、何だこの強烈な違和感は

最後だけ読んでみたのだが、魔界王国の世界侵攻作戦が開始され、日本が爆撃を受けたところで終わっている。
結びは「この時から竜介の新しい戦いがはじまった。新たな甲子園を目指して――」

まあ俺たちの戦いはこれからだメソッドなわけですが、やっぱりこの作品は未完で終わってるみたいです。作者は続ける気満々みたいだったのですが……。

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2006年11月23日

読書『螢』 麻耶雄嵩

トリックの影にトリックを重ねる腕前はさすが。非常に面白かったがラスト一ページでスパゲティ噴いた。そうだね、麻耶雄嵩ってこういう人だった。
読んだ年齢によってラストのショックの質は変わるだろうな。当方は大爆笑。

ちなみにハードカバー版は、帯に致命的な誤植があり雰囲気台無しということなので、持ってる人は大事にしてあげてください。

蛍
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麻耶 雄嵩
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2006年11月09日

読書『マイ・ブラザーズ・キーパー』

チャールズ・シェフィールド 創元SF文庫

主人公が不幸すぎて驚愕する。双子の兄がスパイだったせいで、兄もろともに搭乗したヘリを落とされ、あげくに勝手に兄の脳の一部を移植されてしまう。双子だから当然兄と間違われて事件に巻き込まれ、脳から勝手に流れ込んでくる兄の記憶を頼りに事態を解決しようと奔走すれば、行く先々に兄が手を出した女性達が待ち受ける。14歳の美少女インド人盲目未亡人とか、拷問好きでちょっとくらい毒蛇に全身をかまれても平気な敵の組織の女幹部とか。これは中々いい話だ。シェフィールドの紹介が日本であまり進んでいない理由が、言葉ではなく心で理解できた。

あ、まったく関係のない事柄だが、プロシュート兄貴でググると関連検索に「プロシュート兄貴 イケメン」とでるが、検索者の意図は如何様なものなのだろうか?

マイ・ブラザーズ・キーパー
チャールズ・シェフィールド 久志本 克己
東京創元社

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2006年06月27日

わかりやすい叙述トリック講義

「叙述トリック講義」香澄遼一 (HMC web機関誌『MISTERIOSO』)

この前叙述トリックな映像が話題になっていたので。かーずSPさんとこで拾いました。

講義内でも触れられていましたが、叙述トリックといえば折原一。100%叙述トリックを仕掛けてくると分かっていても騙されてしまうのは、この人くらいじゃないでしょうか。たいしたこと書いてないけど一応
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2006年06月16日

メフィスト賞作家の生き残り具合

メフィスト賞作家の生き残り具合ミステリあれやこれや

積木鏡介、もう四年も新刊出ていないのか。『歪んだ創世記』は結構好みだったのになあ。
量産できるタイプの作家では無いと思うけど、ここまで新刊が出ないとなると、もう小説書く気は無いのかなあ。
あ、『歪んだ創世記』プレミアついてんのね。

積木鏡介 - Wikipedia




歪んだ創世記魔物どもの聖餐誰かの見た悪夢



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2006年03月08日

北山猛邦「アルファベット荘事件」

北山猛邦「アルファベット荘事件」読了。

パラパラと捲ると、やる気満々の図面が載っており、「クロック城事件」を彷彿とさせたが、果たしてそうだった。
北山猛邦にとっての物理トリックは、荒山徹における朝鮮みたいなもんだろうなと取り留めの無いこと思ったりした。つまり性癖というか妄執ですな。

ネタとしては色々なものを詰め込んでおり、模範的ともいえるミステリなのだが、微妙に詰めが甘く傑作にはなりえていない。しかしながらトリックに関しては明らかに発想の方向が猪突猛進であり、読んでいて頬がゆるんでしまいます。
北山猛邦にレースゲームをやらせると、無茶なショートカットを発見することに血道をあげるに違いない。

クロック城と合わせてお薦めしたいが、如何せん白泉社My文庫という生まれた瞬間に敗北が決定しているかのような媒体で出版されており、当然ながら絶版である。多分再版されることはないと思われるので、古本屋で見つけたら買ってあげてください。


アルファベット荘事件
北山 猛邦
白泉社 (2002/07)
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2006年02月27日

荒川徹:十兵衛両断

北上次郎大絶賛の荒山徹を読んでみた。
確かにこれは面白いわ。

山田風太郎にも通じる奇想で柳生一族が偏愛されており、どのような人生を送ってきたら、このような話が思いつくのかさっぱり分からない。
ニセ柳生宗矩一号二号三号という存在を生み出すセンスは、常日頃から全ての物事を柳生に結びつける訓練をしていないと到底身につきませんよ。
万人には進められないが、普通の話に飽き飽きしてる人は読んでみて下さい。

ちなみにアマゾンで書誌情報を確認したら、「駿河城御前試合」を一緒に勧められた。読者層モロかぶりなんだなあ。


十兵衛両断
十兵衛両断
posted with amazlet on 06.02.27
荒山 徹
新潮社 (2005/09)

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2005年12月06日

対談! 西尾維新VS荒木飛呂彦

●1/16発売予定「西尾維新ANALYSYS」に荒木飛呂彦先生とのスペシャル対談が実現 (@JOJO

あー、何というか、幸せだろうな・・・。
しかし記事内でも懸念されているように、荒木御大は西尾維新の小説を読むんだろうか・・・。
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2005年10月06日

タマラセ 鉄仮面はメロンパンを夢見る

六塚せんせいの新刊が出ましたよー。良い子のみんな、買ってねー。

タマラセ 鉄仮面はメロンパンを夢見る
六塚 光
角川書店 (2005/09/30)
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以下感想。

続きを読む
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2005年09月27日

桐原家の人々1〜4

桐原家というものすごいややこしい家族が、如何にしてややこしくなったかを物語るホームコメディー。

設定を隠蔽し小出しに語ることによって、気が付いたら物語の中心が、主人公であるはずの三つ子からずれて戻ってこないのが面白い。
あまりに圧倒的な家族の過去の前にどんどん脇に追いやられていく三つ子が哀れだが、伏線をきっちり回収しようと思ったら自然に過去の話になってしまうわけで、構成上仕方ないことなのだろうが、三巻で本当に脇役になってしまうのはちょっとビックリした。確かにタイトルは「桐原家の人々」なのだけど・・・。
茅田砂胡の小説は他にまだ読んでいないが、他もこんな変なのばかりなのじゃろか?

桐原家の人々 (1) 恋愛遺伝学講座 C・novels fantasia
茅田 砂胡
中央公論新社 (1999/09)
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2005年08月02日

あんしぶる通信室:「揺籃の星」読書会

あんしぶる通信室の「揺籃の星」読書会に参加。前回に引き続き京都が会場であったので、原付で向かったのだが、これが原因で夜にだいごろう (たこ)さんにもの凄く怒られた。次から飲み会がある時には公共交通機関を使うことを固く誓う。二十代も半ばになると怒られるという事象が少なくなってくるので、久々に怒られると何か嬉しいですね。

さて、読書会だが課題本のあらすじとかはamazonのレビューでも見てもらうとして、問題となったのは上巻と下巻の乖離だ。上巻は宇宙論や恐竜絶滅の謎、科学者の政治闘争など、ヴェリコフスキー宇宙論を成立させるための手続きに費やされているのだが、下巻は崩壊する地球をサバイバルするパニック小説になってしまっており、上巻と下巻がいうならば全く別のベクトルを向いており、これを是とするか否とするかで意見が割れる。ただ、否定意見が大半を占め、肯定的な人間も条件付な感じであり、ありていにいえば下巻がツマランなんとかせいよ、というところ。
1999年という発表時期柄、「ディープインパクト」や「アルマゲドン」の影響をモロに受けたのではないかという意見が出たが、これが異様に説得力があり頷くばかりであった。「揺籃の星」執筆時ホーガンは還暦間近であり、晩節を汚すという言葉が脳裏をよぎったが口には出さなかった。

レジュメが無かったせいもあるのだろうが、小説内の太陽系の時系列が今ひとつわからず、皆で混乱する。だが、誰も積極的に整理しようとしなかったような気がする。何か投げやりだった。

科学的な問題点については金子隆一氏の解説ですでに大半がツッこまれており、解説を補足する発言はあったものの、さすがにこの小説を擁護する意見は出なかった。とりあえず恐竜に関する記述は現在ではまったく通用しないのは確かだ。
あと、地球の崩壊に関する描写はちとやりすぎだろうという最もな意見が出る。あんなもん誰が生き残るんやと。紀元前にも一回あったって言われたってねえ・・・。

あとは、キャラクターが立っていない、主人公の行動理念がおかしい、ストーリーの組み立てが拙劣、ホーガンのワーストだ、など散々。

否定意見が出尽くしたところで、よかった探しが始まり、いたたまれない気持ちになる。
個人的には斥候を置き去りにする場面や、爆走轢殺が面白かったか。

ホーガン作品はあまり読んでいないのだが、それでも「揺籃の星」がホーガンの中でも底辺に位置する作品だということは想像がつく。ホーガンのシリーズ物は後にいくほど悪くなると評判だが、これが真実だとすると「揺籃の星」はホーガンワースト3かねえ。
設定やガジェットだけを取り出したら、とんでもなく面白いSFが出来そうな気がするんだけど、なんでこうなっちゃったんだろう。

参考:ジェイムズ・P・ホーガンWiki

揺籃の星 上
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ジェイムズ・P・ホーガン 内田 昌之
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揺籃の星 下
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2005年07月14日

化野燐:蠱猫 人工憑霊蠱猫01

蠱猫
蠱猫
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化野 燐
講談社 (2005/03)
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在野の妖怪研究家、化野燐による伝奇小説。

舞台はある学園都市。司書美袋小夜子は、学園内の土蔵で『本草霊恠図譜』という一冊の妖怪図譜を発見する。本を手にした小夜子は、異世界に迷い込み肉体を改造さてしまうという、不思議な幻視体験をする。

本を発見した小夜子を、有鬼派とよばれる集団が襲撃する。『本草霊恠図譜』には、人工憑霊と呼ばれる、人間の妄想から生み出された妖怪を具現化し操作する方法が記されているというのだ。
現在有鬼派が持っている人工憑霊の技術は断片的であり、その技術を完全なものにするは『本草霊恠図譜』が不可欠だという。有鬼派は『本草霊恠図譜』の力を用い、今在る世界を根底から覆すというのだ。

有鬼派の人工憑霊により危機に陥る小夜子。混乱のさなか小夜子の人工憑霊『蠱猫』が覚醒し、小夜子の脳内を一つの命令が走る。―『本草霊恠図譜』を護れ―。
『本草霊恠図譜』を巡り、小夜子と有鬼派の死闘が始まる・・・。


風呂敷は大きいのだが、舞台設定を間違えている気がする。
有鬼派というのは、ほとんどカルト集団のような目的を持ち、かなり派手な行動をとっているのだが、その行動がいちいち学園都市という舞台にそぐわなさすぎる。図書館爆破したり、研究室一個分の学生を戦闘員にしたり。世界征服の一歩は学園からって、「黒いチューリップ」みたいだなあ。

人工憑霊の扱い方も気になる。妄想や怨念の具現化が妖怪の形を取るというのは、妖怪有りきの世界のようなので分からなくもない。しかし、その使い方がスタンドバトルっていうのはどうだろうか。
スタンドバトルがしたいなら妖怪でなくてもいいだろう。
あと今巻を見ている限り、人工憑霊は準備が大掛かりの割に大して役に立たない印象を受けた。世界転覆は難しいんじゃないだろうか。

色々なところが納得いかないけど、ビジュアルイメージは良いんじゃないかと思う。コートのベルトが猫尻尾と重ねるところとか。全三巻ということなので次巻に期待する。
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2005年06月03日

タマラセ サイボーグは果実を愛する

タマラセ 忍者はコルシカ島へ行った
六塚 光
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先輩であるところの六塚光先生の新刊が発売されました。
なんかアマゾン、サブタイトルを思いっきり間違えてるんですけど。
「忍者はコルシカ島へ行った」って、web KADOKAWAの仮題かなんかじゃないんですか?

今作はパズル要素は低めですが、バトルシーンは五割増。敵はビームサーベル持ったロボット型。
新作ごとに格段に良くなっているので、このシリーズ先が楽しみです。
前二作を未読の方は、この機会にまとめて読んでみてはどうでしょう。

タマラセ 彼女はキュートな撲殺魔
六塚 光 日向 悠二
角川書店 (2004/10/29)
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通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 4.5
4 軽快かつ爽快かつ壮大
5 飽きない

タマラセ 探偵はドリルで突つかれる
六塚 光
角川書店 (2005/01/28)
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通常4〜5日以内に発送
おすすめ度の平均: 5
5 二作目です
5 最高ですよ!!


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