
あんしぶる通信室の「傀儡后」読書会に参加する。
参加者は十四人くらい。過去最多。
京大SF研の一回生が二人参加。最少年齢更新。
そのうちの一人は読了しておらず、「まだ全部読んでないんですが」というセリフを久しぶりに聞いた。
何だか懐かしい気分になる。
読書会であるが、個々のガジェットは非常に魅力的だが、全体としてはあまり面白くないという感想が大半。
多彩な人物を錯綜させるくせに、群像劇として描く気は全く無く、読んでいて座りが悪いという意見も。
通常とは違い、登場人物が物語を作っていくタイプの小説ではないので、ストーリーを追う読み方や、登場人物に感情移入をしようとするとキツイかもしれない。
ガジェットに関してだが、成立させるための技術や、それが生れた過程などが曖昧に描かれていて、
細部にひっかかる点が多々あった。
たとえば麗腐病であるが、何故○○によって伝染するのかという点が解明されていない。
ハードSF好きな人たちはこのあたりが気になったようだ。
牧野修は言葉やシチュエーションへの関心は極めて高いが、テクノロジーへの関心は希薄ということなのだろうか。
あと、シャドームーンしかいない仮面ライダーブラックではないかという感想が出た。
確かにそんな感じかもしれない。
最終章がグダグダなのは、SFマガジンの連載小説がうまっくいった試しはないので、仕方がないというシビアな意見が京大の偉い人から出た。
この前のエリコもSFマガジン連載だったよね…。
次回のお題は、北野勇作「昔、火星のあった場所」
徳間デュアル文庫だけど、現在アマゾン品切れ中ですよ?